「幸福が遠すぎたのです」〜寺山修司に。

 人生なんかと思わなければ

 また春は来るのですか

 人生なんかと思ったりしなければ

 はるかはるかな地の果てに 野の百合は咲いているのでしょうか

 人生なんかと思わなければ

 本当にめぐり会う日は来るのですか

 人生なんかと思ったりしなければ

 夕焼はやさしいやさしいものなのでしょうか

 波に洗われ跡形もなく消え去った我が家はただただむなしいものでした

 平原にぽつんと残った灯りはさみしいさみしいものでした

 ハナニアラシノタトエモアルゾ

 「サヨナラ」ダケガ人生ダ

  …以上、災厄と戦乱の止まない二十一世紀前半の地球と日本にて。