「こうもり」にはシャンパーニュが良く似合う?

Masculin:というわけで、大晦日と言えば誰が何と言おうと「こうもり」で。

Féminin:誰も何にも申しておりませんけどね…でも毎年同じこと言ってるわね、アナタ…。

M:そりゃあもう何十年…そう、クライバー盤がLPで出た’76年以来、近所の蕎麦屋で一杯やり年越し蕎麦を手繰って帰宅し年の改まる直前まで「こうもり」にどっぷりが長年の習慣ですからね。

F:第二幕で舞台に合わせてシャンパーニュを抜くのもでしょ?贅沢な年越しですこと。ウチはさすがに父が紅白観たがったから「こうもり」は昼間に聴いてたけど。ねぇ、子供の頃は紅白なんか観てたの?

M:まぁ観てましたね、中学くらいまでは。’75年の大晦日に紅白の真裏のNHK−FMでその年のザルツブルク音楽祭バーンスタインが振ったマーラーの8番がオンエアされたのにかじりついてから紅白とはまったく無縁で。

F:それで翌年から「こうもり」にどっぷりなのね…。

M:でも考えてみたらLPからCD、レーザーディスクを挟んでDVDとフォーマットが変わってもクライバー一辺倒だったのが近年少し変わって。

F:あら私はそもそも父が持ってたカラヤンの新盤で親しんだの。ほら第二幕のガラパフォーマンスが豪華な顔ぶれで。その後はやっぱりアナタから勧められたクライバーに浮気しちゃったけど。

M:というわけでいろんな「こうもり」をシャンパーニュの銘柄になぞらえながら語るってのはいかが?

F:あらステキね、はじめましょ♡。

(承前)