…とまあ、察しの良い方はお判りでしょうが、今を去ること十数年前に「とてつもない日本」なるご著書をものされているのですねえ、衆議院議員A.T.氏は。そこそこの発行部数だったとのことですが、その内容などはともかく当方が忘れられないのはその後の氏の総理大臣在任中のある日の出来事なのですよ。
当時女性としてわが国二人目の宇宙飛行士に選任されたY.N.さんが総理官邸を表敬訪問した際のことでしたが、出迎えたA氏はソファに足を組み腰掛け、ふんぞり返りながら開口一番、
「あ〜聞いたんだけど、子持ちなんだって?」
いや正直耳を疑いましたなぁ。先方とご自身の立場を考えれば
「いや伺いましたが、お子さんがおいでなんですって?」とでもおっしゃるのが総理大臣ならずともマトモな社会人の言葉遣いではありませんかね?
まあ料亭のお座敷での芸者やら、クラブのホステスに対する言葉遣いなら別に問題にするには当たらないのでしょうがねぇ、その当時から相変わらずのそんな感覚が、つい昨日のK.Y.外務大臣に対する呆れんばかりの妄言に噴出してしまったのでしょうか。付ける薬がないのか死ななきゃ治らんのかはともかく、ひん曲がった〇〇からは捻れた言葉しか発せられないということですかねぇ。
そう言えば最初に総選挙出馬した際の街頭演説の第一声は
「下々の皆さん!」であったとやら。またかつて氏の事務所関係者は
「ウチのセンセイは生まれは良いけど育ちは悪いんですよ」と公言していたとか…確かにその通りなのかもですが、胸張って言うことですかね?
ともあれ仮にもわが国の内閣総理大臣を経験した人物がこのザマなのですから、やはりこの国は「とてつもない」のでしょうなぁ、ヤレヤレ…。
追記。数日経っていつものように前言撤回なさったそうですが、「論語」の「駟(し)も舌に及ばず」=一度口から出てしまった言葉には四頭立ての馬車でも追いつけないとの戒めなどご存知ないのでしょうなぁ、何せ愛読書は「ゴルゴ13」とのことですから…。
(Fin)