吉行淳之介生誕100年。

Masculin:というわけで、今日は吉行淳之介氏の百回目の誕生日なんです。早いもので亡くなってからもちょうど三十年で。 Féminin:そうよね、「第三の新人」の皆さんは大正生まれで、ウチの父も同世代だったから…ねぇ、そもそも貴方はいつ頃から吉行さんの愛読…

未来は今…。

つい先日、米サンフランシスコで無人走行のタクシー車両が暴徒により無惨に破壊され放火されるという事態が発生しました。ことの詳細や背景は不明ですが、思い出したのは半世紀以上も昔、かの手塚治虫の名作「鉄腕アトム」にあった一エピソードなのでした。 …

「タンポポ」(’85)そして「伊丹十三の台所」(つるとはな刊)。

Masculin:一昨日「シェーン」のお話したでしょ。それでってわけじゃないけどこの「タンポポ」を思い出して。 Féminin:そう言えば伊丹十三さんはストーリーの下敷きにしたっておっしゃってたわね。「ラーメン・ウェスタン」て旅の流れ者が母子の危機を救うっ…

「とてつもない日本人」

…とまあ、察しの良い方はお判りでしょうが、今を去ること十数年前に「とてつもない日本」なるご著書をものされているのですねえ、衆議院議員A.T.氏は。そこそこの発行部数だったとのことですが、その内容などはともかく当方が忘れられないのはその後の氏の総…

「荏原町の旦那に捧ぐ」〜池波正太郎「食卓の情景」のことなど。

Masculin:今日は池波正太郎氏の生誕101年です。 Féminin:ふ~ん、去年がちょうど区切りの年だったから「鬼平犯科帳」に「仕掛人・藤枝梅安」のリメイクの企画が上がったのね。 M:それで池波氏と全く同じ生年月日の役者がいるんですよ。 F:あら、どなた? M:…

「青い山脈」(’63年日活)〜誰も石坂洋次郎を読まない。

Masculin:これ、どこでご覧になりました? Féminin:…えっ何、出し抜けに…ウ~ン確か伊豆の天城日活ホテルで観たわ、中学一年の夏休みだから’66年。 M:あぁ、やっぱり。僕も同じです、小学四年だったけど。あそこには試写室ほどの今で言うミニシアターがあっ…

山崎豊子生誕100年〜「華麗なる一族」など。

Masculin:…というわけで今日は山崎豊子女史の誕生日、生誕100年ですって。 Féminin:暮れの28日に田宮二郎さんの没後45年で「白い巨塔」のお話したわね。まぁ私たちふたりともそれほど熱心な読者ってわけでも…そうそう、ご実家が大阪の小倉屋山本でらしたんで…

手塚治虫と私〜竹内オサム「手塚治虫語辞典」を読んで。

…などと巨匠と一読者に過ぎない当方ごときを並べるような不遜極まるタイトルではあるが、本書にざっと目を通し、幼い日からの巨匠との関わりが走馬灯のように蘇ったのである。まあしばしお付き合い下さい。 その前に誰もが忘れもしない’89年2月9日。激動の昭…

田宮二郎没後45年〜「白い巨塔」は不滅なのか?

Féminin:覚えてる?もう45年も経つのね、暮れの28日…。 Masculin:…そうですねぇ、年末の慌ただしい時にまた驚きのニュースで。 F:…前の晩、逢ってたでしょ?まあ記憶力抜群の貴方だから。 M:えぇ、それは勿論。何か些細な言い合いして喧嘩別れしましたよね……

「冒険者たち」(’67年仏)、そして「鬼平犯科帳〜本所・桜屋敷」。

Masculin:何ですか改まってご質問だなんて。まぁ今に始まったことじゃないけど、お姉様の年甲斐もない素朴な疑問シリーズは Féminin:まぁ失礼ね。そりゃあ知り合った大昔から、年下なのに博識な坊やと一目置いてはおりましたけど…ほら、このロベール・アンリ…