小澤征爾氏の訃報に接し、その場で。

 ほんの数分前、この辛い報せに接しました。その日はさほど遠くないものと覚悟はしておりましたが思えば半世紀と少し前の’73年12月、これもまた昨年で半世紀の歴史に幕を閉じた中野サンプラザにおける新日フィルとの年末のベートーヴェン第9演奏会が当方の始めて接したマエストロの実演でした。

 以来、内外の幾つものオーケストラとの演奏会に接する機会がありましたが、常に変わらぬマエストロの音楽に相対する誠実そのものの姿勢にはいつも頭を垂れる思いでありました。

 この日が訪れた今となっては何を申し上げても虚しいばかりですがただ一言。

Grazie mille,Maestro!