"How dare you say that,P.R.!(お前が言うな、P.R.!)"

Féminin:…どうしたの?今朝の会見を観てお怒りなのかしら…。

Masculin:いや別にそういうわけでは…会見ていうより事前に用意したコメントの公表でしたけど、まあ今の段階で彼の口から明らかに出来るのはあの程度が限界だろうし、誠実に対応したと思いますよ。未だ不透明な部分については機構や捜査機関の調査と判断に委ねるのみで。

F:そうね、シーズンも本格的に始まるんだし、彼のなすべきことはグラウンドで全力を発揮するのみですものね…それじゃ一体何に対してお怒りなんでらっしゃいますの?

M:いやかつてメジャーリーグで通算4256本という史上最多のヒットを放ち数多くの栄光に彩られながら、現役の頃から監督時代を通じて違法なギャンブルに手を染めていたことが露見して永久追放の処分を受けている人物が、あろうことか今回の件について

「’70〜80年代にも通訳がいたら俺は無罪放免だったよ」と皮肉ったんですと。

F:💢何それ、それじゃあご自分のしたことを今に至っても大して反省すらしてないのかしら。呆れたわ、’78年の秋にチームで来日した時の「チャーリー・ハッスル」ってあだ名のままのプレーは本当に素晴らしかったのに。

M:本当に失礼な言い草ですよね。イチローが日米通算で自分の安打数に迫った時も

「俺のマイナー時代の安打数も加えてくれよ。アメリカと日本には差があるんだから」なんて言いましたけど…確かに現役時代のクラウチングスタイルから球に食らいつくバッティングと、果敢に次の塁を狙うまさに宙を飛ぶがごときヘッドスライディングとそんなファイト溢れる姿を親善野球でも衒いなく我々に見せてくれた「ビッグ・レッド・マシン」のレジェンドが、監督就任後に露見した違法賭博…自らが監督を務めるチームまで賭けの対象にしていたと…のかどで最も重い処分を受けたという事実を果たして真剣に受け止めているのかどうか。そんな態度だからコミッショナーの恩赦も与えられないんでしょうけど。

F:もうとっくに"Fallen Idol(墜ちた偶像)"なんでしょうけどねぇ。それにしても自ら晩節を汚していることすら分からないのかしら…。

M:まあ今やかつてのブラックソックス事件の時、不正行為を認めたシューレスジョー・ジャクソンにファンの少年が叫んだとされる

「嘘だと言ってよ、ジョー!(Say it ain't so, Joe!)」のような痛切な言葉は、P.R.の耳に届かないんでしょうね…多分永遠に。

(Fin)